今年の4月から佐賀県鳥栖市のプロカメラマンの方とご縁があり、『クラシックカメラの会』と
いうイベントに講師として参加させて頂いている。

講師と言っても何の事はない、ただフィルムカメラの使い方やごくごく基本的な写真の撮り方を
レクチャーするだけだ。


そのプロカメラマンの方から僕のところにお話が流れてきてNiSiというメーカーのフィルター
をモニター使用させていただけることになった。

webサイト│NiSi


各フィルターの効果はもちろん、防汚防滴などのコーティングも優れているようで試しに水滴を
落としてみたが、なるほど撥水効果はとてもいい。

クロスで水分を取り除いても拭き跡は残らなかった。

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水滴を落とし、、

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クロスで優しく押し当てるように水滴を拭く

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拭き跡もなくきれい
指紋がついてしまった場合もクリーニングペーパーやレンズペンなどで拭けば簡単に綺麗になる。



さて、今回使わせてもらったフィルターはこの3種。
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左からND1000、ハーフND、ND8&CPL


ちなみにNiSiには角型のフィルターとホルダーが大きな商品としてあるようだが、今回僕が
試用したのは円形フィルターだ。ハーフNDは特に角型のほうが便利ではあるだろうが。


ND1000と聞いて僕が真っ先にやってきたのが街の中。

一般的には濃いNDフィルターは空の雲を流したり、海の波を霧のようにふんわりさせたり
といった使い方が多くされるが、僕は”晴れた日中の”街の中で動くものを消したかった。


晴れた日中だとフィルターなし、いやND8や16を使っても動くものを消したり流したりという
のはそうそうできない。

まずは既に僕が所有していたND400を使ってみた。
これはオークションサイトにて300円くらいで落札した古いアイテムだ。

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動いているものを流すことはできたが、まだ実像として残っている感が強い。


次にNiSiのフィルターND1000。

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さすがに真夏のピーカンでは完全に消し去ることはできなかったが、それでもだいぶ像が流れて薄くなっている。
雲があるなどでもう少し暗ければ捨てられた街のような写真を撮ることができるだろう。
カラーバランスも崩れたりしておらず良好だ。


さて、次に定番の海に来た。唐津市湊の立神岩だ。
まずは何もつけないでピーカンの空と海に露出を合わせて撮ったのがこちら。

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明るい空と海に露出を合わせているので相対的に手前の岩場は暗くなっている。


どちらも映える露出で写したい場合HDRもあるが、NiSiのハーフNDを付けると、、

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フィルターの前枠を回転させて上半分にNDの効果がかかるようにして撮ったので、空が濃く
なり、手前の岩場も暗くならない露出で写すことができた。


次に試したのがND8&CPLフィルターだ。
まずはフィルターをつけて効果なしの状態で撮影。

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逆光が水面に反射して画面全体が白っぽい印象になっている。


次に前枠を少し回転させて半分ほど効果を効かせたもの。

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反射が少し撮れて白っぽい印象が和らいだ。


それでもまだ効果を効かせたほうが良さそうなので、効果最大で撮ってみた。 

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水面と光軸の角度の問題があるので完全というわけにはいかないが、手前の水面の反射を取り除く
ことができ、ずいぶんすっきりした。

PL効果だけでなくND8の効果もあるので、例えば滝の水流をブラして撮りつつも反射をコント
ロールする、という使い方で大いに活躍することだろう。

これからやってくる紅葉シーズンでも、晴れた日に背景を大きくボカして撮りたい場合に、
ND8の減光効果のおかげで絞りを開けれるし日に当たった葉の反射も取り除くことができる。


最後に、ここでもND1000のフィルターを使って立神岩と海を撮影してみた。
まずは何もつけない状態で撮影したもの。

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そしてND1000をつけて撮った写真がこちらだ。

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水面の波が消え滑らかになっている。

この日は小潮で更に干潮時だったので水量が少なく波もあまりなかったのが残念だが、大潮で
波がもっとある日だとさらなる効果が期待できるだろう。


自然現象に文句を言っても仕方ないのでこういう撮影に切り替えてみた。

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すべて1分~1分半ほどの露光だ。その間に立った波の波紋が重なりこういう風に白い霧状の描写
となる。やはり水量がもっと多い時に試してみたくなった。


ひと通りしようしてみてまず思ったのがND1000のように特に濃いフィルターに関してカラー
バランスが心配だったのだがそれが杞憂に終わってよかったということだ。

質の悪い安価なフィルターはカラーバランスが崩れたり変な色が乗ったりということもあるが、
NiSiのフィルターではそういうことがなく安心して使えそうだ。


それからフィルターワークで意外とというか、結構大事なのが取り外しに関すること。
特にワイド系の物理的に薄いフィルターがフィルターネジにきつく入り込んでしまうと取り外すの
がかなり困難な作業となってしまう。

そういった時のためにゴムでできた取り外し用の道具もあるが、それがない場合、無理に外そう
としてフィルターを引っ掻いたり突いたりして傷つけてしまったり、外れた拍子に落としたりして
しまうこともある。


多くのフィルターはそのために枠をギザギザに加工したりはしてあるが、どうも効果が薄い上に、
ギザギザで指ばかりが痛くなる。布を当てて回そうとすると繊維が詰まったりもする。


それがNiSiのフィルターだとこうなっている。

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ギザギザではなく凸凹

個人的にこの凸凹が絶妙だった。というかどう考えてもギザギザよりこっちのほうがいい。
指は痛くならないし適度な目の感覚なのでグリップ感もいい。

他のフィルターメーカーも一考してほしい。



さて、ざっと試用してみたがもっと他にも撮りたいものがある上に今後も使い道を色々思いつけ
そうなので都度アップしていきたいと思う。

今後、日本で展開していくにつれ今回試したフィルター意外の商品も入手できるようになると
思うので、要チェックだ。